コラム・チェックポイント

2020.05.29 上田 晃一朗

理由付記で勝つメリット

審判所において,処分が,理由付記の誤り(違法)を理由に,取り消された場合,原処分庁は,正しい理由付記へ修正して,再度,処分をなすことができます。
これだと,せっかく,理由付記の誤り(違法)が認められたにもかかわらず,意味がないのでは?という疑問が湧きあがります。
しかしながら,理由付記の誤り(違法)を理由に,処分が取り消されることには,大きな意味があります。
それは,国税が処分をなすには,期限が決まっているからです。
国税が処分をなすことが出来る期限は,原則5年間であり、納税者に,「偽りその他不正の行為」があった場合は、例外的に,7年間となります。
審判所において,処分が,理由付記の誤り(違法)を理由に,取り消される場合,その時点までに,相応の期間が経過しています。国税が,再処分を行うといっても,期限を既に徒過しており,もはや,再処分が出来ない事態に陥っていることが少なくありません。その結果,もはや再処分できないというパターンが圧倒的に多いのです。
理由付記で勝つメリットは,ここにあります!