2020.05.19
海外企業との取引のチェックポイント
海外企業との取引では,何かあった場合に責任を追及することが非常に困難です。
そのため,通常の取引以上に注意が必要です。
□取引先企業は実在しますか
海外には架空の法人がたくさんあります。架空の法人こそ立派なオフィスを構えています。
公的書類で,まず存在をきちんと調査しましょう。
□管轄に注意しましょう
訴訟になった場合,遠方の裁判所に出向かなければいけないとなると,時間や費用の問題で実際には訴訟ができないということにもなり得ます。管轄,つまり,どこの裁判所で訴訟をするのかは非常に重要です。
□紛争解決手段の合意に注意しましょう
遠方の会社との紛争解決には,「訴訟」ではなく「仲裁」によることも合理的な場合が少なくありません。そのため,「訴訟」ではなく「仲裁」で解決するという合意も検討すべきです。
また,海外企業との取引では,どこの国の法律に則して進めるか(準拠法)も非常に重要です。
マカオ法を理解している弁護士を探すのは大変です。
□きちんとした契約書を作成しましょう
距離が遠いというだけで,法的責任を追及することが実際上は非常に困難になりますので,特に契約書の作成が重要になります。
とりわけ文化・商慣習・法制度が異なる海外企業との取引では,誤解が生じやすいので,細かなことでも契約書に盛り込みましょう。
□完全合意条項の存否に注意しましょう
海外企業との契約書には契約書以外の約束はなかったものとする完全合意条項を入れることがよくあります。
その場合,契約成立前の交渉段階における文書や口頭での取決めはなかったものとなってしまいますので,注意が必要です。
□代金支払の条件などに注意しましょう
海外企業の代金不払いに対する回収は非常に困難です。
きちんとした担保を取る,前払いにする,信用状を利用するなどして,通常以上に代金の支払い条件に留意しましょう。
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