コラム・チェックポイント

2020.03.26 上田 晃一朗

台風上陸!給与は支払うべき?

近年,自然災害が増加傾向にあり,自然災害が発生した場合に適切な対応をとることが会社にも求められています。今回は,台風などの自然災害のため,会社を休業した場合の給与の取扱いについてお話しします。

 

基本的な考え方としては,会社が休業した場合に従業員に給与を支払うべきかは,休業が「使用者の責に帰すべき事由」によるか否かによって決まります。
そのため,①交通機関が麻痺して従業員の多くが出勤できない場合や,②会社の施設や設備が直接的な被害を受けて営業ができない場合には,「使用者の責に帰すべき事由」によって休業したわけでないので,給与を支払う必要がないでしょう。

ただし,営業をすることはできるが,台風のため客が少ないことを理由に休業をした場合には,「使用者の責に帰すべき事由」によるとみなされ,休業手当として給与の6割を支払う必要があります。

 

なお,休業日に有給休暇の申請があった場合は,会社は申請に応じる必要はありません。有給休暇は,あくまで「休業日」ではなく「労働日」について申請できるものだからです。ただ,台風などで営業できない場合に,従業員に配慮して,休業日にするのではなく,有給休暇として給与を支払うことも考えられるでしょう。