コラム・チェックポイント

2025.11.26 内田 清隆

自然災害債務整理ガイドラインの勧め~能登半島地震から2年

能登半島地震から、やおら2年が過ぎようとしています。

しかし現実には、復興はなお道半ばであり、被災された方々からの経済的なご相談は後を絶ちません。

私は金沢弁護士会にて、「自然災害債務整理ガイドライン」に関するプロジェクトチームに参画しておりますが、地震を契機に支払不能に陥った方々からの問合せが、現在も頻繁に寄せられています。

「自然災害債務整理ガイドライン(正式には『自然災害による被災者の債務整理に関するガイドライン』)」は、災害救助法が適用された自然災害によって被災した個人・個人事業主を対象に、住宅ローンや事業ローンなどの既往債務について、破産や民事再生といった法的倒産手続によらず、債権者との協議・合意に基づく減免・整理を促す枠組み(準則)です。

この制度には、破産や民事再生と異なる次のようなメリットがあります:

  1. 登録支援専門家による支援が無料で受けられる
    ガイドライン制度を利用する場合、弁護士等の「登録支援専門家」が、債務者・債権者双方に利益を偏らない公正中立な立場で支援を行います。
  2. 手元に一定の財産を残せる可能性
    債務の支払いに充てずに済む自由財産を、基本的に500万円まで確保することができますし、義援金等はその財産から除外されます。
  3. 信用情報に記録されない
    このガイドラインに基づく債務整理を行っても、個人信用情報機関に登録されず、将来の借入れに不利益を及ぼすことがありません。
  4. 連帯保証人への影響
    原則として、連帯保証人にも支払義務が及びません。この点が、破産や民事再生といった法的整理にはない大きなメリットです。

もし、お身近に「地震で収入が大幅に減った」「住宅ローンが残っていて再建できない」「借金返済が苦しくなった」といった方がおられましたら、ぜひこの制度をご紹介ください。

相談を希望される方は、金沢弁護士会に対し、自然災害債務整理についての法律相談をお申し込みいただければと思います。

https://kanazawa-bengo.com/92768a3039dbd5138c4678a2e515f8c497cd65c5.pdf